たった4日間で組織が変わる

お客様の立場であれば、なるべく少ない予算と時間で、最大の成果を生み出したいと考えるでしょうね。
そして私たちはチームコーチとしての仕事を全うする責任がある。お客様が期待している以上の成果と変化を作るには、最少でどのくらいの日数が必要だろうかと試行錯誤しました。
お客様にとって期待値を超えるような成果を出せる最低限の日数は合計で4日間だと結論付けました。

ラグビーやサッカーなどのチームスポーツの試合に例えてみましょう。
試合直前に、控室で選手と監督、コーチ陣は、いま目の前に現れるライバルチームにどのように打ち勝つかという戦術の最終確認を行い、必ず勝利を手にするぞと気合を入れます。こうして闘志をみなぎらせて選手たちはフィールドに出ていきます。
試合中は基本的に選手に任せていますが、必要なタイミングで、タイムを取って指示を与えたり、戦術的意味を持った選手交代をしたりして、試合経過を見守ります。監督とコーチはベンチで情報交換しながら、後半戦の戦い方の修正を考えていることでしょう。
そしてハーフタイム。選手たちは汗を拭きながら控室に帰ってきます。全員が円陣を組み、監督とコーチから慰労され、承認され、ときには叱責され、後半戦の戦い方を指示されます。短い時間で戦い方を共有したチームは必ず勝ってみせると誓って、再びフィールドに向かいます。
試合中、刻々と残り時間が減る中でどう戦うのか、ライバルチームの動向を判断しながら、具体的な指示を飛ばし、最適な選手交代で監督の意志をチームに伝える。最後の最後まで、走り、攻め、守り、一丸となって勝利に向かいます。
タイムアップ。試合終了の笛が鳴り響きます。そして試合の結果が明らかになります。勝っても負けても、礼儀正しく、ライバルチームを称え、観客に感謝を伝え、チームは控室に引き揚げます。監督やコーチ陣、スタッフは戻ってくる選手たちを称え、労い、承認します。そうして、着替え終わった選手たちは、完了のためのミーティングを行うのです。すでに試合の中での重要なポイントがビデオに編集されています。結果とプロセスから学ぶ重要な時間を過ごすのです。何がうまくいったのか。何はうまく機能しなかったのか。次に生かすべきことは何なのか。チームの課題は何か。次の試合までの準備をどのようにしていくのか。練習の日時が確認されて解散。

チームコーチングもほぼ同じ過程を進むことになります。
経営者あるいは責任者によって指名され、集められたメンバーにはチームにならなくてはいけない理由があります。スポンサー(チームコーチングを実施することを決定した人物)からミッションが与えられるのです。私の経験では、むしろチームメンバーがチームとして何を期待されているのかを議論した結果、何をミッションとして引き受けるのかを決定していく場合の方が多いのです。メンバーが自ら選択するわけですから、そのミッション達成への責任意欲は高め安定することになります。そうして、メンバーが責任を取れる範囲の組織の課題を探求し、達成すべき目標、解決すべき課題を明確にしていきます。そのうえで、目標達成への基本戦略、局地戦での戦術まで策定し、実行計画を共有して、現場に戻ることになります。ここまでにどうしても最短で2日かかります。中小企業の場合、管理職とは言え、会社の戦略や戦術のことなど日頃から考えている人はほとんどいません。ですが、チームコーチの問いに答えて、チームコーチがリードする会議の中で、決まっていくのです。
「これまでは自分ひとりで経営計画を考えて、幹部や全社員に伝えていたが、皆の意見を結集した方がずっと効果的なプランになる」。これはメンバーとして参加されていた経営者が異口同音に述べられる感想です。
これが試合の直前のミーティングでの作業です。こうして戦う準備を整え、チーム作りを終えて、翌日から現場で実践することになります。

試合のハーフタイムに当たる2度目のチームコーチングセッションは多くの場合、1か月後くらいに設定します。私たちはこの機会を「ピットイン・ミーティング」と称しています。F-1レースでレーシングカーがピットに戻ってきます。ガソリンを必要な分量だけ注入し、タイヤ交換をして、数秒後には出ていく光景を見たことがあるでしょうか。なんと効率的な作業なのでしょうか。ピットイン・ミーティングはあのイメージだと思ってください。
1日かけて、メンバーは勝利のために計画を修正し、リソースを強化し、さらにチームの結束を固め、目覚ましい成果のために現場に戻っていきます。

そして試合終了後の完了ミーティング。基本的なチームコーチングのプロセスでは最終セッションになります。
これも1日で行います。チームコーチングでは4日目になります。
最終セッションは終了ではなく、完了がテーマです。実際、ゴール期日よりも前に日程が設定される場合もあります。期末まで数か月を残している場合もあります。逆に期末を越えて、最終セッションを行う場合もあるのです。
決められた制限時間が来たら、「終了」します。「完了」とは、ともに戦ってきたメンバーとの結束を確認し、このプロセスを振り返って、しっかり学ぶべきことを学び、今後に生かすようにリセットすることを言います。ここで、次の目標計画を設定して、新たな取り組みに旅立つチームもあります。

わずか4日間で組織が変わるのです。
「うちの会社はこんなもんだ」「うちの社員は変わらない」とどこか諦めていないですか。
わずか4日間で組織は変わります。そうして次期リーダーが育ち、数字を動かしていくことになります。

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