創業することと、出来上がった事業を守っていくこと。どちらが難しいのか

あなたは創業者ですか。それとも後継者ですか。どちらであっても学べるエピソードがあります。
ご存知のこととは思いますが、「創業守成」という格言の意味を自分事にして復習してみましょう。

これは「十八史略」あるいは「貞観政要(じょうがんせいよう)」という中国の古典に書かれている有名なエピソードです。
国や組織を創るのと維持するのとでは、どちらが難しいかという問いに対して、唐王朝創始者である李世民の二人の側近は、相反する結論を出してきたのです。その時、李世民はどのように応じたか。見事な応じ方を見せます。さて、エピソードです。

唐の太宗が傍らに仕える家臣に尋ねた。「創業と守成とではどちらのほうが困難だろうか」と。
房玄齢(ぼうげんれい)が言うには、「世の秩序が整わず、天下がまだ定まっていない初めの頃は、多くの英雄が連なって出現し、力を競って勝敗を争い、負けた方の相手を臣下にしました。創業の方が困難です」と。

魏徴(ぎちょう)が言うには、「昔から、帝王は天下を苦難の末に得て、安楽に暮らすうちに必ずこれを失っています。守成の方が困難です」と。

そこで太宗がこう言った。「房玄齢は私とともに天下を取り、何回も死ぬような危険な目にあいながらも、なんとか生き延びてきた。だから創業の難しさを知っている。また魏徴は私とともに天下を安定させ、心のおごりやぜいたくが裕福で身分の高いことから生じ、災難や世の乱れが不注意で怠惰なことから生じるのを常に恐れている。だから守成の難しさを知っている。いかし創業の困難は過ぎ去った。守成の困難は、今まさに諸侯とともにこれに注意を払いたい」と。

この受け答えだけでも李世民が優れたリーダーであったことが分かります。ふたりの優れた功績のある部下を称えながら、客観的に何が大事なのかを説く姿勢を見習いたいものです。

さて、まずは「創業」ですが、「業を創る」とはどういうことか。業を決めるだけでは不十分です。何を大事にして組織を発展させていくのかの根本にあるものが「理念」です。組織の根幹として創業の精神を明らかにして、これを伝統にしていくのだと定めることです。それがなければふらついた組織になってしまいます。

これが伝統になれば社風が形成されます。その創業の精神を引き継ぎ、伝統の下に形成された社風を大事にしていくことが重要だということになります。それが「守成」です。

私たちは創業早々のまだ小さな企業でもチームコーチングを実施してきました。それはエキサイティングな体験です。コーチとして創業リーダーの思いを引き出していくと、そこには純粋なビジネスへの思いが溢れてくるのです。お客様にどのような価値を提供したいのかという志が聴こえてきます。起ち上げメンバーのそれぞれの思いを重ねていくと、このビジネスはビッグになるに違いないという確信が生まれてきます。そうすると、企業理念やビジョンをより明確で人々を魅了するように表現し直す作業に入ることもあります。もちろん、納得度が高まりますし、皆で作ったという達成感がありますから、メンバーたちの所有感が強まるのです。
そこから勝ちの戦略を策定していきます。勝つことが分かっていて、シンプルに動く枠組みを共有します。スタートが大事です。小さな勝利、小さな成功体験をいくつも積み重ねることを通して、組織を弾ませていくのです。

また私たちは「守成」の難しさの闇の中で、脱皮できずにもがく企業でもチームコーチングをたくさん実施してきました。
創業以来のどんな精神に再度命を吹き込む必要があるのか。どのような商品を誰にどのような新しいやり方で届けることに企業の収益の可能性を見ていくのか。当たり前になっている業務プロセスのどこに成果を止める「ボトルネック」が隠れているのか。社内体制はこのままで機能するのか。時代の変化に対応した体制と人材の配置なのか。今後、10年先を見通して、世の中に何が起きても「想定内のこと」として早めの対応をしていく準備をどのようにするのか、等々。なによりも数字が動きます。それによってメンバーが自信を持ち、次のプランへと駆け上ることになるのです。

いま、あなたは「創業守成」のどちらの難しさの中で可能性を見出そうとしているのでしょうか。

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